漸(ようや)くの事で、美禰子の傍(そば)まで来て、
「里見さん」と呼んだ時に、美禰子は青竹の手欄に手を突いて、心持首を戻して、三四郎を見た。何ともいわない。手欄のなかは養老(ようろう)の滝(たき)である。丸い顔の、腰に斧(おの)を指した男が、瓢簞(ひょうたん)を持って、滝壺(たきつぼ)の側に跼(かが)んでいる。三四郎が美禰子の顔を見た時には、青竹のなかに何があるか殆(ほと)んど気が付かなかった。
「どうかしましたか」と思わず…
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