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 学校に通うのは自分の分身である「アバター」。直接登校せず、インターネット上の仮想学校で学ぶ教育システム「サイバー学習国」を、千葉市の通信制高校が来春から採り入れる。3年で高校卒業の資格を得られる。不登校や引きこもりの子どもが、学校に行くきっかけにしたいという。

 関西に住む女性(43)は、インターネットで見つけたサイバー学習国に引かれた。小学5年の次女が約1年前から不登校。これなら「登校」できるかもしれないと思ったからだ。

 物事に興味を示さなくなっていた次女が「ここ、行ってみたい」と目を輝かせてパソコンの紹介動画に見入った。だが小学生は対象外。取り寄せた資料を見ながら、次女は「何で小中学校がないの」と残念がった。

 サイバー学習国を始めるのは私立明聖高校(千葉市中央区)で、2000年に開校した通信制の学校だ。在籍生徒約490人の中には、小中学時代に不登校や引きこもりの経験者も少なくないという。

 「登校」するにはパソコンやスマートフォンを使う。専用ソフトを立ち上げると、実名登録した分身のアバターが登場。画面上で学校や教室を移動させる。同校の教員による約20分間の動画授業とテストを毎回受けることで通常の50分授業に相当するという。実際に学校に行く、年間4日間のスクーリング(面接指導)をこなせば、3年で高卒の資格を得られる。わからないことがあればメールで質問できる。

 従来の通信制と大きく違うのは、ネット上で同級生と交流ができたり、ゲーム感覚で学習できたりすることだという。「チャット(おしゃべり)」機能を使い、ほかのアバターと文字で会話できる。図書室では電子書籍が借りられ、視聴覚室で工場見学の画像などが見られるようにする計画だ。

 漢字や計算、英単語を学ぶと「学習ポイント」がたまる。ポイントは購買部で使え、アバターの洋服などが買える。

 明聖高校には通常の通信制もあるが、定められた年間約20日の面接指導を受けに登校できない生徒もいる。規定の範囲内で面接指導の日数を減らし、生徒の興味を引く様々な「仕掛け」を用意することで学習のきっかけにしようと考えた。2年前から仮想学校の立ち上げに取り組んできた。

 「引きこもりを助長しないか」という議論も校内にあった。「農園ゲーム」を通じ、実際に高校にある農園での収穫祭への参加を呼びかけるなど、現実につなげる工夫も凝らすという。

 花沢悟史校長は「こんな学校なら行ってみようという気持ちになり、それが自信や希望につながって外の世界に踏み出すきっかけになれば」と期待する。

「交流が期待できる」「人間関係は作れない」

 文部科学省が16日に発表した問題行動調査(2013年度)によると、不登校の小中学生は計11万9617人だった。内訳は小学生が2万4175人、中学生は9万5442人。1千人当たりでみると、小学生は3・6人、中学生は26・9人が不登校だった。

 07年度以降、合計数は減少し…

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