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 メールアドレスの後ろにある「.jp」「.com」などのドメイン名の運営にかかわる事業者が、来年にも法律の規制対象になるかもしれない。サーバー障害などで利用者が困らないよう、国が財務状況の報告などを求める検討をしているからだ。規制によって事業者の経費が増えれば、利用者の料金に上乗せされる心配もありそうだ。

 メールを送受信したり、ウェブサイトを見たりするには、利用するパソコンやスマートフォンの「住所」がネット上で正しく認識される必要がある。コンピューターは「IPアドレス」という長い識別番号を使うが、一般の人が覚えるのは難しい。このため、文字列のドメイン名に変換され、使いやすくされている。

 場所を示すのに緯度や経度ではわかりづらいが、番地を記した住所の文字列ならわかる。これに近いイメージだ。

 ドメイン名は、民間事業者が企業や個人などネットを使う人に売る形で登録。総務省によると、事業者の数は600社を超える。2013年末に国内のネット利用者は1億人を超え、ドメイン名の登録は約490万種類。最近は「.tokyo」(東京)といったご当地ドメイン名も出始め、登録数はますます増えると予想されている。

 ドメイン名を管理する事業者のサーバーに障害が起き、使えなくなったら国民生活への影響が大きい――。そう考えた総務省は、ドメイン名を固定電話や携帯電話と同じ「インフラ」と位置づけ、事業者を監督する是非を議論した。

 9月にまとまった報告書案は①今まで通り民間主導②国との「契約」で規律を促す③法律に記して監督する、の三つの案を示した。③の法制化案は「国の規制の範囲や内容を広く知らせるうえで、メリットがある」と強調された。

 総務省は今後、どれにするかを決めるが、法制化なら、来年の国会で電気通信事業法を改正し、財務状況などの定期的な報告を事業者に求める案が有力。問題があれば事業者が行政処分を受ける可能性がある。

事業者「事務が増えれば、コスト膨らむ」

 ドメイン名の運営事業者は、すでに国際団体「ICANN」(本部・米国)の厳しい審査を受け、自社のサーバーが障害を起こしたら、すぐ他社のサーバーにデータを移す仕組みなどを整えている。これまで、総務省が心配するような事故は起きていないという。

 また、例えば「.com」は米国の企業が運営元で、日本の販売会社は代理店のような位置づけだ。海外のサーバーに問題が起きても、対処法は限られる。

 ある事業者の幹部は「国をまたぐネットの世界を国内法で縛ることには限界がある。国への報告など事務が増えれば、コストも膨らむ。ネット利用者の料金が高止まりする要因になるかもしれない」と心配する。

 総務省は、こうしたネットならではの事情も踏まえ、「規制をつくるにしても、業界の自主性を尊重する運用になる」(データ通信課)と話す。(志村亮)

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