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 論議を呼んだ万引き犯とされる男の画像公開。古書店「まんだらけ」と似た対応を取る店は、他にもある。

 「警告!」。大阪市内の鮮魚店では、レジ近くの壁に貼り紙がある。「当店で万引き等の行為を発見・確認した場合、警察には通報せず、犯人の顔写真を撮影し、店頭に貼らせていただきます(無期限)」。いまは、中高年の男女3人の写真がある。

 貼りだしを始めたのは2年以上前。万引き被害は大幅に減ったものの、今も続く。経営者の男性(41)は「店を守るため。なくならない限りは続けざるをえない」と話す。

 店側が司法手段に頼らずに自ら公開する背景には、被害の深刻さがある。

 NPO法人「全国万引犯罪防止機構」によると、全国の小売店で発生する万引きの被害額は年間5千億円規模だ。検挙されるのは1%にも満たない。仮に検挙されても、被害品が戻ってきたり、補償されたりすることは少ないという。事務局長の福井昂さんは「警察に届けても品物が戻ることは期待できず、大半は泣き寝入りしている」と話す。

私憤をブログで

 「さらす」。本人の許可なくネット上に個人情報を公開することは、こう呼ばれている。個人的な動機でそれに及ぶ人もいる。

 「何ちゅう反抗的な奴(やつ)だよ」。東京都江戸川区に住む男性(35)は8月、自宅アパートに帰ってドアを閉めるなり、スマートフォンに指をはわせた。

 直前に立ち寄った近所のスーパー。女性店員が商品を袋に入れたときに「雑だ」と感じてそう伝えると、「ちゃんと入れた」と言われた。この出来事を自分のブログに書き込んだ。店員をこっそり撮った写真も載せた。

 1年ほど前から、気に障った人にブログ上で「制裁」を加えるようになった。治療を巡りトラブルになった歯医者の顔写真や悪評、接客態度がおかしいと思った不動産会社の担当者の名刺……。「スッとするし、見せしめになっていい。みんなが共感してくれるかもしれないし」。まんだらけの件でも「僕は(公開に)賛成」と書き込んだ。

 11年前、お笑い芸人を夢見て鳥取県から上京。アルバイトをしながら小さな劇場の舞台に立ったが、売れなかった。昨年から役者に転身したが、エキストラの仕事ばかり。「目立ちたい」。一人暮らしをする家賃4万5千円のワンルームで、ひびの入ったスマホをいじる時間が増えた。

 ただ、書き込んだ相手からの苦情も、読者からの反響も、これまで全くない。

 書き込みの最後は、必ずこう締めくくる。「正義は勝つ! 俺が正義だ!」

 一方で、ネット上の書き込み主…

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