【動画】逸ノ城にメッセージを送る父アルタンホヤグさんと母ボロルトヤさん=波戸健一撮影
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 9日に初日を迎える九州場所で関脇に昇進した逸ノ城(21)。本名アルタンホヤグ・イチンノロブ。初土俵から所要5場所で三役へ駆け上がった大器はいかに育まれたのか。モンゴルの故郷を訪ねた。

 暗闇の向こうからオオカミの遠ぼえが聞こえる。空には銀の粉をまぶしたような天の川。ぴりぴりと冷たい風は、迫る厳しい冬を予感させた。首都ウランバートルから西に450キロ。逸ノ城が生まれ育ったアルハンガイ県バットツェンゲル村は、今は枯れてらくだ色になった草原が、どこまでも続いていた。

 父アルタンホヤグさん(44)と母ボロルトヤさん(43)は、馬40頭、牛30頭、羊400頭、ヤギ100頭と暮らしている。家畜が食べる草を求め、季節ごとに住む場所を変える移動生活。10月末に訪ねた時は、秋に過ごしたゲルから、冬を越すために数キロ離れた場所へと引っ越しの最中だった。

 まきストーブがたかれるゲルの中はシャツ1枚で十分に暖かい。夜は太陽光発電で蓄電池にためた電力で、裸電球が室内を照らす。異国で暮らす息子につながる携帯電話は、微弱な電波を拾うため、天井近くの柱の上に置かれていた。

 「イチコ(逸ノ城の愛称)は働き者だった。この生活が息子を強くしたのだと思う」とアルタンホヤグさん。小学校に入学した8歳までは両親を手伝う日々だったという。「馬や牛の世話は、幼い子にとって格闘のようなものです」

 乳を吸う子馬を母馬から引き離したり、体重が500キロ以上の牛を引っ張ったり。森から丸太を運び、のこぎりで切ることで腕の力が付いた。毎日の乗馬は足腰の鍛錬になった。加えて、零下20度にもなる冬。「寒さに耐えるので、遊牧民は我慢強いのです」とボロルトヤさんは言った。

 同じ村のシャラさん(42)は…

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