[PR]

 小笠原諸島近海などで、中国漁船によるサンゴの密漁が深刻化し、日本政府が対応に追われている。与党から取り締まり強化を求める声が相次ぎ、海上保安庁も態勢強化を打ち出したが、海保も沖縄県の尖閣諸島との「二正面作戦」になり、難しい対応を迫られている。

自民部会、取り締まり強化など決議

 「金を払うだけで許されるんだから、彼らにとって日本は天国だ」。5日、自民党が緊急に開いた部会では、政府への厳しい意見が相次いだ。約50人の議員が出席し、取り締まり態勢の強化と中国への厳重な抗議を求める決議を採択した。

 特に問題となったのは罰則の仕組みだ。排他的経済水域(EEZ)での違法操業容疑などで船長を逮捕しても、保釈金にあたる「担保金」を支払えば釈放され、押収された漁獲物も返還される。裁判に出廷すれば担保金が戻され、改めて罰金など刑事罰が科されるが、担保金を積んだまま出廷しないケースもある。

 罰金との兼ね合いなどで決まる担保金の金額は明らかにされていないが、この日の衆院外務委員会で水産庁は「罰金引き上げが可能か検討したい」と罰則強化に前向きな姿勢を示した。

 また自民党部会では「海上警備行動を発令して、自衛隊を出すべきだ」との意見も出たが、政府は一貫して慎重だ。海上警備行動は海上保安庁の能力では対応できない場合に、自衛隊が出動する。発令したのは1999年の能登半島沖で、海保が持つ船の能力では追尾が困難だった北朝鮮の不審船事案など3度だけ。防衛省幹部は「密漁漁船に対して自衛隊の船を出すのは考えにくい。逆に中国との緊張を招きかねない」と語る。

 北京でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)を控え、衝突を避けたい日中両政府の思惑もにじむ。日本政府は中国側に迅速で実効的な対応を要請。中国外務省の洪磊副報道局長は5日の会見で、「厳しく取り締まっている。中国と日本が良好な協力を進め、問題を適切に解決するよう望む」と協力姿勢を示した。

200隻超の漁船、広域に広がる

 中国漁船が多数確認された9月以降、海上保安庁は最も大きい「しきしま」(7175総トン)など大型巡視船を小笠原に派遣している。小笠原に常駐する海保職員は4人だけで、配備する5トンの小型ボート1隻では、200トン前後はある中国漁船にとても対応できないからだ。いまは水産庁の取締船2隻とあわせ、小笠原と伊豆諸島で5隻程度が警戒にあたる。

 海保の佐藤雄二長官は5日の自…

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら