夏目漱石「三四郎」あらすじ 28-31
よし子の病室を出たところで池の女がいた。「十五号室はどの辺になりましょう」と女が聞く。よし子の部屋である。三四郎の説明を聞いて、女はにこりと笑い、角を曲がった。女の結んでいたリボンは過日、野々宮が兼安で買ったものだった。その後の三四郎は講義も上の空、東京の街をあちらこちらと歩き回る。
「おい」と与次郎に声をかけられた。水蜜桃の男と一緒だ。やはり青木堂で茶を飲んでいた人が広田先生であった。広田先生は貸家を探しているという。三四郎は石の門の家へ二人を案内した。
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