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 7~9月期の国内総生産(GDP)は、2四半期続けてのマイナス成長となった。景気の落ち込みが鮮明になり、安倍晋三首相は来秋の消費税率10%への引き上げは先送りが避けられないと判断する見通しだ。増税延期の方針とあわせ、近く衆院の解散・総選挙を表明するとみられる。経済政策アベノミクスへの評価が最大の争点になりそうだ。

 個人消費は4月の税率8%への消費増税後、落ち込んだまま。大手企業の収益は改善しているとはいえ、景気のバロメーターとされる設備投資は2期連続のマイナスとなった。金融緩和による円安の恩恵を受けやすい輸出や、政府の「5・5兆円の経済対策」で景気を底上げするはずだった公共投資も微増にとどまり、アベノミクス「第1の矢」の金融緩和、「第2の矢」の財政出動はいずれも十分な効果を出せずにいる。

 消費増税は法律で「経済の好転が条件」としており、安倍首相はこれも根拠に先送りを決断するとみられる。安倍首相は16日、記者団に「民主党政権時代はマイナス成長だった」と語ったが、安倍政権下のこの1年間も、3四半期がマイナス成長だ。甘利明経済再生相は17日、「アベノミクスは失敗していない」と強調したが、その成果に疑問符が付くのは避けられない。経済対策を後回しにして解散・総選挙に踏み切ることにも批判が出そうだ。(野沢哲也)

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