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 米ミズーリ州ファーガソンで今年8月、18歳の黒人少年が白人の警察官に射殺された事件で、州の大陪審は24日、ダレン・ウィルソン警察官(28)を不起訴にする決定をした。これに抗議をするデモ参加者が警察署近くに押し寄せ、車両が壊されるなど、事件発生時のような混乱が再び広がっている。

 現場近くに記者が近づくと、黒人の若者らが集まり、「正義なくして平和なし」と叫んでいた。警察官らは列を組んで道路を封鎖し、「車道から出なければ逮捕する」と拡声機で通告。車両が炎上している様子も見え、時折、警官隊によるスモーク弾と見られる発砲音も聞こえた。

 12人の市民から構成される大陪審は捜査対象者を起訴するかどうかを判断するが、理由の詳細は明らかにされない。記者会見をした地元の検察官は「捜査は尽くされた」と語った。CNNによると、大陪審は7人の男性と5人の女性で構成され、白人が9人、黒人が3人だったという。

 AP通信などによると、捜査の途中では被害者のマイケル・ブラウンさんが撃たれた時の状況が焦点になったとみられる。発砲をしたウィルソン警察官は「身長約193センチ、体重が136キロ近いブラウンさんが迫ってきて、命の危険を感じた」と述べたのに対し、複数の目撃者は「ブラウンさんは降伏しようと、両手を上げていた」などと話したという。ブラウンさんは武器を持っていなかった。

 オバマ大統領は24日夜、警察官不起訴の決定を受けて緊急の記者会見をし、「これはファーガソンの問題ではなく、米国の問題だ」と述べた上で、デモ参加者に平和的な抗議を求めると同時に、地元警察にも抑制的な警備を要求した。

 地元では大陪審の判断を前にニクソン州知事が非常事態を宣言し、治安維持のために州兵を送る準備をしていたほか、今週末の感謝祭の連休を控え、一部の学校は月曜日から休校した。(ファーガソン=中井大助