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 小惑星探査機「はやぶさ2」が宇宙へ旅立った。初代「はやぶさ」の奇跡の帰還は、世界を驚かせ、いまや国際的にも小惑星探査は花盛りになった。その中で、日本は宇宙探査の未来図をどう描いていけばいいのか。宇宙に挑み続ける意義はなにか。「はやぶさ」チームをまとめたJAXAシニアフェローの川口淳一郎さんに聞いた。

 約7年間の宇宙探査の旅から「はやぶさ」が帰還したのは4年前だった。あちこち故障して「瀕死(ひんし)」の状態。それでも地球から約3億キロ離れた小惑星イトカワの微粒子を採取し、戻ってきた。「世界初」をいくつも成し遂げたその技術には、いまも世界から問い合わせが続く。

 今回の小惑星探査機には、「はやぶさ2」という名前をつけて欲しくなかったんです。初代「はやぶさ」はあくまで新しい技術を試す実験機。でも今度は確かになった技術でめざすいわば本番の1号機。別のものなのに、プロジェクト段階から名称は「はやぶさ2」。成果を出した「はやぶさ」の後継機と位置づけても、約300億円の予算は巨額だとなかなか認められませんでした。

 アメリカは、日本の年間宇宙予算にも匹敵する約3千億円もかけたキュリオシティという火星探査車を、いきなり火星に運びました。「3千億円もかけて失敗したら」とは言わない。世界レベルの一級の挑戦というのは、他の科学でもそういう規模です。先日、彗星(すいせい)に初着陸をしたヨーロッパの探査機ロゼッタだって14億ユーロ(約2千億円)。でも、日本はリスクを先に言います。

 川口さんらが、以前からあたためていた「はやぶさ2」のプロジェクトを提案したのは2006年。「はやぶさ」との通信が途絶え、行方不明から復旧を模索した時期だ。

 「はやぶさ」を計画した最初から描いたシナリオは基本的に同じです。太陽系誕生当時の状態をとどめている小惑星や彗星を探査する「始原天体探査」。地球などの惑星は小さい天体が集まってできたと言われています。大きく丸くなってしまった天体では、誕生のころの痕跡は沈んでいて、地表近くのどこを探しても残っていない。地球の中身や生命の起源はわからないんです。だから小惑星をめざしました。

 「はやぶさ」がめざしたのは、地球と同じ岩石質のS型小惑星。イトカワです。太陽の熱で焼け石のようになって、水も残っていません。

 これが、もう少し太陽から離れると、水を含む鉱物や炭素、有機物も残っているC型小惑星が出てくる。それが「はやぶさ2」の向かう1999JU3です。熱に軽くあぶられているので「生命の起源」そのものの大きな分子はとどめていませんが、「生命の進化を育んだ環境」がどう作られたのかがわかります。

 次は、生命の起源そのものを氷づけで保存しているような天体、木星以遠の氷と泥がガチガチに凍ったような小惑星をめざします。さらにその次が、レアメタルなどがあるとされ、丸ごと金属かといわれるM型小惑星の探査です。個人的には、これが一番興味があります。

 いまは木星の近くにある小惑星…

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