[PR]

 レコードからCD、さらには圧縮音源へ。技術革新の進展に伴い「音質のデフレ化」が進んだ音楽の複製メディア。それがハイレゾ音源の登場で、変化が起きている。音楽の作り手は何を思うのか。音楽プロデューサーの小室哲哉さんに話を聞いた。

――近年ハイレゾ音源の音楽配信がにぎわっている。高音質需要の高まりを、作り手側はどうみているのか

 「1990年ごろ、シンクラビアという大変高額な音響機器で音楽制作をしていました。実はすでにこの時、本当にいい音でレコーディングはできていたんです。でも、そんな機材を使っていざレコーディングしても、CDにパッケージされると、もう明白に音が悪くなっている」

――音にこだわって作品を作っても、あまり意味がなかったと?

 「『あれ?こんなに音が粗かったかな』みたいな感じで、本当にがっかりしていました。結局、音楽の複製文化の歴史は圧縮の歴史だった。音の情報をどんどん間引いていく。小さい容量でも音楽を楽しむための技術が進化していった。ついにはMP3(圧縮音源の一種)が登場し、CD以下のレベルの音質になってしまった」

――MP3は本当に浸透しました

 「インターネットで音源をダウンロードして、(音楽の再生プレーヤーやパソコンなどの)ハードディスクに曲をたくさん詰め込むには、確かに容量は抑えたいですからね。また、ユーチューブの普及で、多くの人が『この音源でも普通に聴けるし、いいんじゃないか』と慣れてしまった。70年代のアナログレコード時代から音楽を作っている側からすれば、『みんな、何でこのぐらいの音で満足なの』と思ってしまう。あり得ない事態ですよ。技術革新したけど音が置いてきぼりになっちゃった」

――若い世代になるほど低音質が基本みたいな状態になっている

 「おそらく家庭用テレビゲーム機の普及も影響しているのかなと思う。ビット数(データの細かさを示す値。値が多いほど音質がいい)は8ビットとかでしょ? 物心ついた時からスーパーマリオのあのピピッピッピピッピの音に慣れてしまったら『MP3でも問題ないな』となるかなと思うんです」

 「どんどん音の情報が間引かれていく。『ここだけ聴ければいいでしょ?』と必要最低限の音の情報だけしか提供されなくなった。そんな状態が長く続き、低音質が当たり前だと思うようになってしまった」

――長い低音質時代。ミュージシャン泣かせの時代とも言えるでしょうか

 「決して全否定するわけではあ…

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら

こんなニュースも