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 ウイルス入りのメールを隣人宅の無線LANを使って送信し、インターネットバンキングのIDなどを不正に取得するために感染させたとして、警視庁と愛媛県警の合同捜査本部は、松山市和泉南1丁目、無職藤田浩史容疑者(29)=不正アクセス禁止法違反罪などで公判中=を不正指令電磁的記録供用の疑いで逮捕し、5日に発表した。「身に覚えがない」と容疑を否認しているという。

 警視庁サイバー犯罪対策課によると、この罪名は2011年6月に新設され、ウイルスを使って他人のパソコンを遠隔操作できる状態にした場合などに適用される。今回、藤田容疑者がウイルス入りメールを送ったことが特定できたとして、ネットバンキングの不正送金事件に全国で初めて適用した。

 発表では、藤田容疑者は6月3日午後1時25分ごろ、自宅のパソコンから、隣人宅のルーターを通じて無線LANに勝手に接続し、東京都内の50代の会社役員の女性にウイルスを組み込んだメールを送信。女性のネットバンキングのIDやパスワードを盗む目的で開封させ、女性のパソコンをウイルスに感染させた疑いがある。

 同課は、藤田容疑者が今年1~5月、約40件の不正メールを送信し、ネットバンキングから不正流用された被害が少なくとも10件(被害額900万円)確認できた、と説明。ウイルスは海外のサイトから3千円ほどで購入した作成ツールを使って作ったとみられるという。