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 衆院選の公示直後の3日。沖縄県石垣市の港で演説する候補者の先に、真っ白な海上保安庁の大型巡視船の姿があった。

 最新の巡視船「かびら」の入港式。今年3隻目の増強配備だ。全長96メートル、約1500トン、20ミリ機関砲や遠方監視装置、停船命令を出すLED表示板も備える。海保は地元関係者や報道陣に船内を一部公開したが、機密保持ゆえに撮影は認めなかった。

 「沖縄本土復帰から42年間、我々は営々と領海警備を行い、この海域を守り続けてきた」。乗組員約30人を前に、これまでの実績を語った秋本茂雄第11管区海上保安本部長。話が「今」に及ぶと、その声は一段と大きくなった。

 「中国公船による領海侵入や接続水域での徘徊(はいかい)が繰り返され、情勢は厳しさを増し、現在も緊迫した状態が続いている」

 2012年9月の尖閣国有化以降、周辺海域で中国公船の航行が常態化している。11月10日の日中首脳会談で尖閣周辺の緊張緩和が期待されたが、同25日、中国海警局の船3隻が日本領海に侵入し、外務省は中国に抗議した。会談で合意した「海上連絡メカニズムの構築」も進展は見られていない。

 海保は不測の事態を防ごうと機能強化を急ぐ。乗組員約600人の尖閣専従チーム設置が決まり、10月から来年度末までに計10隻の巡視船が新造、配備される計画だ。1隻あたりの建造費は約57億円で、「例のない増強」(石垣海上保安部)となる。

 尖閣諸島と石垣島の距離は約170キロ。石垣市民が普段、海保や自衛隊の活動を目の当たりにすることはない。しかし、尖閣をめぐる緊張は日本のナショナリズムに火を付け、石垣島にも波のように押し寄せる。

 地元高校で長く歴史を教えてきた石垣久雄さん(75)は言う。

 「国有化で島の雰囲気は変わった。戦争の記憶が忘れられ、国防や愛国の意識が台頭してきている」(冨名腰隆)

保守系が勢い増す

 石垣港の一角の公園に昨夏、石…

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