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 振り込め詐欺など今年、過去最悪ペースで増えている「特殊詐欺」で、被害者にレターパックや宅配便で現金を送らせる「送付型」の被害額が増えている。警察庁による現金授受の手口別分析では、9月に初めて「手渡し型」を上回って最多に。担当者は「現金を郵便や宅配便で送らせるのはすべて詐欺」と注意を呼びかけている。

 現金授受の手口は、送付型▽犯行グループが被害者宅などを訪れて現金を受け取る手渡し型▽現金を金融機関の口座に振り込ませる「振り込め型」▽被害者宅などでキャッシュカードを受け取り、現金を引き出す「カード手渡し型」――の4類型がある。警察庁は昨年1月から月別の被害額の分析を始めた。

 従来は手渡し型が最も多く、送付型、振り込め型、カード手渡し型が続いていたが、送付型が徐々に増え、今年9月に約20億4千万円に。約18億7千万円だった手渡し型を上回り、10月にはさらに両者の差が広がった。

 手渡し型や振り込め型と異なり、送付型は被害者と対面したり、防犯カメラが設置された現金自動出入機(ATM)の前に立ったりする必要がない。取引限度額があるATMと違って、事実上、多額の現金を一度に受け取れる。現金の受け取りに私設私書箱を悪用すれば自らの存在を隠すこともできる。

 送り先は犯行グループが拠点としているとみられる東京、神奈川、千葉、大阪が大半だが、被害者は全国に広がる。警察庁幹部は「送付型は地方に住む人もターゲットにしやすい手口だ。郵便や宅配便での現金送付は禁止されており、求められたらすぐに警察に相談してほしい」と話す。(八木拓郎)

被害を防ぐために(警察庁による)

・現金をレターパックや宅配便で送らない

・親族を名乗る人物から電話で現金を要求されたら、以前から使っている電話番号にかけ直して確認する

・親族の同僚や友人を名乗っても初対面の人には現金やキャッシュカードを渡さない

・身に覚えのないインターネットサービスや通信販売の料金を求められたら無視する

・お年寄りは別居の子や孫と普段から連絡を取っておく

・不審な電話や訪問者があれば警察に相談する