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 14日投開票の衆院選で、民主党の幹部が激戦を繰り広げている。公示後は応援で全国行脚してきたが、ここに来て地元に入る時間を増やし始めた。自民は「最重点区」と位置付け、安倍晋三首相らが揺さぶりをかける。

自民、合言葉は「大宮に立ち寄れ」

 「なんといっても相手は幹事長。演説は冴(さ)えるが、果たして結果が出たのか」

 9日、さいたま市のJR大宮駅前に立った安倍晋三首相は、埼玉5区の自民前職、牧原秀樹氏(43)の横で熱弁をふるった。8選をめざす民主党幹事長、枝野幸男氏(50)との接戦を意識し、「横一線」と4回繰り返した。

 5区は枝野氏が21年にわたり守ってきた地盤。前回選挙で、牧原氏は枝野氏に9400票差まで迫った。

 自民は今回、5区を「最重点区」に指定した。「大宮に立ち寄れ」が合言葉。公示前後から菅義偉官房長官や石破茂地方創生相らを投入。牧原陣営は4度目の挑戦で「今度こそ大金星を」と士気が上がる。

 首相は自身のフェイスブックで「是非皆様のご協力をお願い致します」とSNSで牧原氏への支持を拡散するよう呼びかける入れ込みようだ。

 枝野陣営の危機感はかつてなく高い。報道各社の序盤調査で自民優勢が伝えられると、地元入りの日程を増やした。

 「おはようございます。枝野本人です」。11日早朝、枝野氏は京都へ遊説に向かう前に大宮駅前で30分、頭を下げ続けた。

 8、10日も全国遊説に出かける前の早朝、駅頭に立った。演説では「雇用が増えたといばっているが、正社員の数は減っている」と政権批判に力を入れる。

 岡田克也代表代行や蓮舫参院議員らの応援も積極的に受け入れる。過去7回の選挙にはなかった光景だ。「党本部の危機感の表れ」と陣営も気をもむ。

 共産新顔の山本悠子氏(62)は、原発再稼働ストップなどを訴えている。(河原夏季)

民主・海江田氏、最終盤の地元入りを相談

 「久しぶりです」。東京1区の民主前職、海江田万里氏(65)は9日、新宿区の下落合駅前でマイクを握った。公示8日目にして、自分の選挙区に初めて丸1日張り付いた。「安倍政権にノーと言える勢力をつくりたい」。港区へ選挙カーを走らせ、街頭で訴えた。

 公示後、党代表として北海道や九州を回る。陣営幹部は「本人不在の初の選挙。本人の握手で票を増やす時間がない」と焦る。過去6回の衆院選で、小選挙区では3勝3敗。最終盤も地元入りできるよう党本部と相談し始めた。

 前回、海江田氏に約1100票差で競り勝った自民前職の山田美樹氏(40)は「絶対に東京1区を野党に渡してはならない」と訴える。公示前に安倍晋三首相や菅義偉官房長官が入り、公示後も谷垣禎一幹事長らが駆けつけた。自民都連は、安倍首相の再度の選挙区入りを調整している。

 共産新顔の冨田直樹氏(38)は集団的自衛権行使反対などを掲げ、次世代新顔の渡辺徹氏(36)は規制緩和などを訴える。諸派新顔の又吉光雄氏(70)、無所属新顔の野崎孝信氏(27)も立候補している。(河村克兵)

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