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 決められた時間内でツール開発を競う「ハッカソン」を東京大学が初めて主催し、その表彰式が20日、東京都文京区の本郷キャンパスで開かれた。最高レベルの技術をいかに社会に役立てるかを目的とした試み。来年以降も開催していく計画だという。

 イベント名は「JPHACKS」。参加者は東大を中心とした理工系の大学生で、100人の募集に230人の応募があった。最終的にツール開発の実績のある学部生や院生130人が32チームに分かれて参加した。

 19日には、事前の選考で勝ち残った9チームが完成したツールを発表。目で見える映像を音で表現するツールや、簡易脳波計で精神状態を管理するツール、難易度の高い統計分析を誰でも使えるツールなど、高い技術力に裏打ちされた作品がそろった。

 その中で最優秀賞をとったのは、福島県の会津大学コンピュータ理工学部2年生の五十嵐太清さん(19)と坂口勇太さん(20)。「spritualAxsh(スピリチュアル握手)」と題し、手首につけて握手するだけで、名刺など個人の様々な情報をやりとりできる機器を開発した。

 短期間で、プログラムだけでなく、実際の機器も開発した点などが評価された。これまでにも様々なハッカソンに参加してきたという坂口さんは、「東大のハッカソンは参加者の技術力が違って刺激になった。最優秀に選ばれたのが不思議なくらい。よりよいものを開発したい」と述べた。

 今回、JPHACKSを主催した東京大情報理工学系研究科の國吉康夫教授は「発展のスピードが加速し、最先端技術とユーザーが利用する技術が近づいている。技術をどう社会にいかすか。そのための人材をどう育成するか。ハッカソンはその答えの一つ」と話している。(古田大輔)

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 〈ハッカソン〉世の中の課題に対し、技術でよりよい解決法を生み出す「ハック」と、「マラソン」を掛け合わせた造語。会社や世代を超えて多様な参加者が集まり、短時間に集中して新しいツールやコンテンツを生み出すイベントとして欧米で広まり、日本でも企業を中心に多数開催されている。