[PR]

 ケニアのマサイ族の若者が身体能力を競う「マサイ五輪」を取材した。かつてはライオンを殺すことで勇敢さを誇ってきたが、動物保護の観点から、代わりにスポーツで勇者を決めることにした。

 垂直跳びの高さに驚き、裸足で草原を疾走する若者たちに声援を送った。しかし、最も私の興味を引いたのは、宿泊したロッジの門番だった。鉄の扉を開け閉めしながら、両手を使わずに友人と携帯電話で会話をしていたのだ。

 一部のマサイ族は、耳たぶに直径5センチほどの穴を開けている。彼はそこに携帯電話を挟み込んで、手放しで会話を続けているのだ。私が「伝統文化と現代技術の融合だね」と褒めると、彼は「そうさ。とても便利だよ」と自慢げに言った。不便な点を尋ねると、「着信音がうるさいことかな」と笑って言った。

 スマートフォン機能がついた眼鏡や腕時計が開発されているが、彼には必要なさそうだ。別れ際、「君も(耳に)穴を開けるといいよ」と勧められ、返答に困ってしまった。(三浦英之

関連ニュース