[PR]

 オランウータンにも人間と同じ基本的な権利が認められるとして、南米アルゼンチンの裁判所が、メスのオランウータンを動物園から解放するよう命じる異例の判決を出した。地元紙は「動物を『物』として扱ってきた従来の判例を覆す判断だ」と指摘。確定すれば、動物園やサーカスでの動物の扱いに広く議論が及ぶ可能性がある。

 地元紙ラナシオンによると、解放が命じられたのは、ブエノスアイレスの動物園にいる28歳の「サンドラ」。1986年にドイツの動物園で生まれ、94年にアルゼンチンへ移された。ずっと不当な監禁生活を強いられてきたとして、動物保護団体が11月、ほかの仲間と適切な環境で暮らせるよう裁判所に訴えていた。

 19日の判決は「動物であっても、類人猿のオランウータンには基本的な権利は認められるべきだ」と指摘。3人の裁判官が全員一致で、オランウータンでも法的には人間と同等の権利があり、自由を享受できると結論づけた。最高裁が結論を見直す可能性もあるが、ブラジルの保護区に移されることが検討されている。

 同紙は「歴史的な判断だ」との憲法学者の言葉を紹介する一方、「オランウータンは単独行動が基本であり、動物を人間的に捉え過ぎるあまり、実態を見誤っている」との動物園側の見方も掲載している。(サンパウロ=田村剛)

関連ニュース