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 日本臓器移植ネットワークは24日、栃木県の済生会宇都宮病院で脳死と判定された60代の男性から臓器提供手術が行われたと発表した。脳死での臓器提供は、1997年の臓器移植法施行後300例目。法改正で家族の承諾による提供が可能になった2010年7月以降に大きく数が増えたが、心停止後の提供の減少が目立ち、全体ではあまり変わっていない。

 移植ネットによると、男性は低酸素性脳症で入院。書面での意思表示がなく、家族の承諾で23日に脳死と判定された。24日に心臓、肺、肝臓、腎臓、眼球が摘出され、心臓は大阪大病院、肺は独協医科大病院(栃木県)と京都大病院で移植。肝臓と腎臓も移植手術が行われた。膵臓(すいぞう)と小腸は医学的理由で断念された。

 脳死下の提供は、1例目が実施された99年以後、年に数例から10例程度にとどまっていたが、家族の承諾で提供できるようになった10年7月以降は年45例前後に急増。今回までに214例を数え、全300例の7割を占める。

 しかし、年に60~100例程度実施されていた心停止後の提供が減少し、臓器提供全体では大きく増えていない。13年は脳死下が47例あったが、心停止後は37例にとどまった。一方、移植を希望して移植ネットに登録している患者は今年11月末現在で計1万3696人にのぼる。(寺崎省子)