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 キレイに板書したり、問題と解説をまとめたりしたノートを見て欲しい。そんな気持ちを利用したノート共有アプリの利用者が20万人を超える人気だ。アプリには色や図など工夫を凝らしてまとめた手書きのノート7千冊がデータベース化され、いつでも誰でも見ることができる。試験前に友だちに「ノートをコピーさせて」とお願いする文化はなくなるかもしれない。

 アプリの名前は「Clear(クリア)」。教育ベンチャー企業「アルクテラス」が昨年12月から無料でサービスを開始。スマホで接写したノートをアップロードしたり、誰かがアップロードしたノートをダウンロードしたりすることができる。枚数にしてノート約10万ページ分。いまも増え続けている。

 ノートは中学生向け、高校生向け、大学生向けで大別されている。例えば高校生向けの場合、数学・英語・世界史といった科目別にタブが分かれ、新着順や人気順など見たい順番で並べ替え可能。また、検索機能で「二次関数」と打てば、二次関数に関するノートを探すことができる。「先輩ノート」といった大学生が残したノートもある。

 アプリは同社を起業した新井豪一郎社長(40)が考えた。電車の中で女子高校生たちが色を使ってキレイにまとめたノートを「見て見て」と友だちに見せ合っていた様子を見て、思いついたという。名前には問題をクリアする、思考がクリアになる、という意味を込めた。

 サービス開始直後は、大学生や高校生にノートの提供を地道にお願いして、アプリを成長させてきた。いまでは2千人がノートをアップし、ユーザーの50%以上が週に1回は利用するという。新井社長は「ライバルは参考書。わからない問題にぶつかったとき、すぐに先生に聞くことができなくても解決できる」と話す。

 一方、開発したチーフエンジニアの小嶋秀徳さん(31)は、地域差による情報格差の解消も期待する。予備校などが近くにない地方の受験生にこそ利用して欲しいという。

 小嶋さんは愛知県豊川市出身。高専から東大工学部に編入を目指していたが、周囲に同じ志望校の仲間がいなかった。唯一の同じ志望だった名古屋の友人と、自作の問題をファクスで送り合って勉強し、お互い合格したという。「受験勉強は孤独になりがち。同じ目標を持った仲間をアプリで見つけて刺激し合ってほしい」と小嶋さん。来年度は志望校別のコミュニティー機能など「つながる機能」を追加させたいという。