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 かつて日本各地に生息していたコウノトリ。国内の自然界では絶滅した国の特別天然記念物を人工繁殖で復活させ、関東の空へ飛び立たせて自然再生のシンボルにする構想が動いている。2年前に飼育を始めた千葉県野田市は年内の放鳥を目指し、埼玉県鴻巣(こうのす)市も飼育基金を設けた。

 都心から車で1時間。野田市江川地区の水田や斜面林が広がる一角に、市の飼育施設「こうのとりの里」がある。ケージの中では成鳥2羽が昨年末から巣づくりを始めている。隣の小型ケージには、この2羽から生まれた4羽が暮らす。

 成鳥2羽が東京・多摩動物公園から施設に来たのは2012年12月。市が繁殖に取り組み、育ったコウノトリを放鳥するためだ。飼育員の武田広子さん(33)は「自然界で餌を食べる姿を見たい」と期待する。

 野田市に先行し、兵庫県豊岡市で繁殖・放鳥に取り組んでいる兵庫県立コウノトリの郷公園によると、コウノトリはかつて東北~九州北部に生息し、江戸の街なかでも営巣していた。明治時代に乱獲が進み、ほとんどが姿を消した。国内最後の生息地となった豊岡市でも1971年に野生の個体が絶滅。開発で営巣林や餌がすむ池沼や湿地が減り、農薬使用の拡大や近親交配が拍車をかけたとされる。

 同公園は旧ソ連(ロシア)から譲り受けた個体による人工繁殖を進め、2005年に放鳥。その動きに着目したのが野田市だ。江川地区の耕作放棄地や斜面林など約90ヘクタールをビオトープ(野生生物の生息空間)とする構想を06年にたて、09年には自然再生のシンボルとしてコウノトリの野生復帰に取り組むことを決めた。「里山の生態系の頂点にいたコウノトリが暮らせる自然を再生する。そんな目標があれば力が入る」と根本崇市長は語る。

 コウノトリは水田周辺や湿地に…

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