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 認知症の人の支援を進めるため政府が策定する「認知症国家戦略」の全容が7日、明らかになった。2025年には65歳以上の約700万人が認知症になるとの新たな推計を示し、本人や家族の視点を重視した施策を進めるとしている。今月中にも正式に決める。

 厚生労働省が国家戦略案で示した推計によると、65歳以上の認知症の人は12年時点で462万人。およそ7人に1人だ。これが団塊の世代が75歳以上になる25年には、65歳以上の5人に1人にあたる700万人前後に増えるという。

 国家戦略案は25年までを対象期間とする。基本的な考え方として「認知症の人の意思が尊重され、住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指す」とした。そのために若年認知症施策の強化など七つの柱を掲げた。

 認知症の人への理解を深めるため、全国的なキャンペーンを実施。認知症の人が自らの言葉で語る姿を発信する。学校現場でも高齢者への理解を深める教育をし、学生がボランティアとして認知症の人と関わる取り組みも進める。

 本人らの思いを重視するために、国や自治体の認知症施策づくりや政策評価に、認知症の人やその家族が関わることも推進する。

 適切な医療・介護を提供するために、地域の歯科医師や薬剤師の認知症への対応力を向上させるための研修などを実施する。65歳未満の若年認知症の人の対策を強化するため、本人や家族からの相談窓口を都道府県に設置、交流の場づくりなども目指す。「介護者の支援」では、介護ロボットの開発・普及や仕事との両立の実践例の紹介を強化する。本人や家族が集う「認知症カフェ」の設置も進める。

 また厚労省が認知症対策の5カ年計画「オレンジプラン」で盛り込んでいた数値目標を引き上げる。

 認知症について学び、理解を深める「認知症サポーター」(14年9月末時点で545万人)は、17年度末の目標数を600万人から800万人に上積みする。初期段階から医療・介護の専門職らが訪問して支援する「認知症初期集中支援チーム」(14年度は41市町村)は、18年度から全市町村での実施を目指す。(畑山敦子)

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