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 東日本大震災で会えなくなった人に思いを伝えるために岩手県大槌町に設置された「風の電話ボックス」が、7日からの強風で飛ばされた。横倒しになって全壊しており、持ち主の佐々木格さん(69)は「心の傷ついた人が多く来るのにこんな姿では申し訳ない」と嘆いている。

 電話ボックスは佐々木さんの庭園にあり、中に電話線のつながっていない黒電話を置いていた。震災で家族を失った人たちが、受話器を通して「大切な人」に語りかけてきた。この正月も多くが訪れていた。題材とした絵本や佐々木さんの思いを込めた音楽CDも制作された。

 7日夕に中の整理をした佐々木さんが8日朝、倒れているのに気づいた。扉やガラスは割れ、三角屋根は外れていた。訪れた人が自由に思いを書き込むノートは近くの草むらに飛ばされていた。

 佐々木さんは「年賀状でもみなさんに案内したばかりだったのに。ここまで壊れていると、再建するのは難しいかもしれない」と途方に暮れている。岩手県沿岸では7日から8日にかけ、風が強く、一時は暴風雪警報が出ていた。(山浦正敬)