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 11日投開票された佐賀県知事選で初当選した元総務省官僚の山口祥義(よしのり)氏(49)は、新知事として原発再稼働やオスプレイ配備といった国策受け入れの是非を判断する。ただ、選挙戦を通して「国策と地方選」を問う論戦は深まらなかったのが実情だ。

 「佐賀のことは佐賀で決める。これを実現できたことが何よりうれしい。地方の英知を結集し、共感できる改革をしていきたい」

 山口氏は11日夜、当選確実のニュースを受けて事務所に姿を見せ、支持者の前で声を張り上げた。

 山口陣営の中心になったのが、地元農協の政治組織「県農政協議会」だ。自民を長年支えてきた組織だが、規制改革を進めたい安倍政権側が今回の選挙を「政権対農協」の対立構図に仕立てたことへの反発もあり、組織がフル回転。前佐賀県武雄市長の樋渡(ひわたし)啓祐氏(45)への抵抗感が強い民主党やその支持団体、無党派層も加わり、「中央対地方」のうねりとなった。

 一方、自民党本部主導で擁立された樋渡氏は11日夜、佐賀市内の事務所で敗戦の弁を語った。「敗因の一番大きいものは私の力不足。(県民)一人一人に訴えが届かなかった」

 選挙戦は、樋渡氏の政治手法への賛否をめぐり保守分裂になった。安倍政権は、武雄市長時代に図書館の運営を民間委託したり市民病院を民間移譲したりした樋渡氏を改革派と位置づけて支援。樋渡氏を「独善的」と批判する地元農協や首長、一部の自民議員らが擁立した山口氏との全面対決になった。

 ただ、山口氏は選挙戦で、政権が進める九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の再稼働や佐賀空港への自衛隊オスプレイ配備についてほとんど触れなかった。樋渡氏も切り込まず、活発な論戦にならなかった。山口氏は11日夜、原発については「再稼働の方向で考えたいが、安全性を確認し、県民の意見をしっかり聞く」。オスプレイについては「まったく判断していない」などと述べるにとどめた。

 原発再稼働やオスプレイ配備について積極的に触れたのは、九州大大学院教授の島谷幸宏氏(59)だった。ともに反対を明確に訴えて争点化を図った。島谷氏は11日夜、佐賀市内の事務所で記者団にこう語った。「県民の問題意識は確実にあると感じたが、残念ながら争点としては完全に埋もれてしまった」

■有権者、何を…

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