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 全国転勤、徹夜、休日呼び出し。「すべてOK」と答えて入社した。だが、月日が経ち、妻となり母となり、その働き方は厳しくなった。そして――。

 「女性が十数人、辞めるって」

 昨年6月ごろ、NHK内をこんなうわさが駆け巡った。年1回の大規模異動が発表される7月を控えたころだった。全国で1万人以上の職員が働くNHK。その15%にあたる1564人が女性だ。

 情報公開請求で入手した6~10月の人事異動名簿によると、確かに約20人の女性が退職していた。この間の退職者全体は定年退職を含め約250人だから、女性の退職がとりたてて多いというわけではない。たどっていくと、約20人のうち半数以上が、2000年代後半に入局した30歳前後の若手だった。

 この話題は昨年夏以降、ネットメディアなどでも取り上げられた。NHK広報局に事実関係を確認すると「特定の期間に退職者が集中するようなことはない。退職は一人ひとりの事情によるものだと認識している」との回答だった。取材を進めると、「結婚」「夫の転勤」といった家庭の事情を挙げる声が目立った。

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 昨年退職した20代の女性。夫の転勤がきっかけだった。「報道の仕事は面白く、職場に不満はない。ただ、夫も多忙な転勤族なので、このまま仕事を続けていたら一緒に暮らせないかもしれないと思った」と語る。

 朝日新聞はこの女性を含め、昨年退職した女性のうち、連絡先が判明した6人に取材を申し込んだ。紙面に掲載することについて了解が得られたのは、この女性だけだった。しかし、複数の現役職員が事情を話してくれた。

 退職者と世代が近い複数の現役職員は、自分自身の働き方と重ね合わせ、危機感を募らせていた。子どものいる30代の女性は「24時間365日働けなければ記者失格と言われ、転勤続きで家族生活もままならない。こういう環境では、自分の将来像が見えにくく、子どもを産み育てることにちゅうちょしてしまう」。

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 「性別に関係なく生きやすい社会に」。こうした思いで、私たちはさまざまな視点から、いまの社会の姿を伝えてきた。それは私たち自身を見つめ直す機会になった。一般的に大手メディアの正社員の待遇は恵まれているとされる。だが「長時間労働は当然」「公私の区別はあってないようなもの」という考え方が、朝日新聞で働く私たちを含めて許容されてきたのではないか。今回のシリーズでは、メディアで働く女性たちが置かれている環境について考えたい。それは、男性の働き方をも問うことになるからだ。(井上知美)

■報道にやりがい、悩…

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