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 新聞紙を資源ごみに出す日の朝、静かな戦いが起きている。売るために勝手に持ち去る業者と、それを追跡する行政との攻防だ。全地球測位システム(GPS)を駆使した持ち去り対策の最前線を追った。

 昨年11月21日午前6時半、相模原市の閑静な住宅地。マウンテンパーカを着込んだ男性がごみ集積所のネットをめくり上げ、新聞紙の束を置いた。

 市資源循環推進課の職員だ。同行した井上康臣課長が記者に物陰に隠れるように指示したそのとき、青い軽トラックが横付けした。運転席から出てきた男が新聞の束を後ろの荷台にひょいと投げ入れると、車は走り去った。カメラを構えるいとまもなかった。「手際よくやられた」。井上課長は携帯電話で、別の場所で張り込む金井真一副主幹に、車の特徴を伝えた。

 中ほどの新聞は穴がくりぬかれ、名刺より小さなGPS(長さ7・5センチ)がはめ込まれている。

 その後、我々は金井副主幹に合流した。通行人を装い、遠目にうかがう。吐く息が白い。

 さっきと同じ軽トラックが現れた。が、通り過ぎる。過去に古紙を持ち去ったのが目撃された多摩ナンバーの白いワンボックス車も姿を見せるが、やはり手をつけない。「少しでも怪しいと思うと、最近は持っていかない」と井上課長。2時間過ぎても新聞の束はそのままだった。

 ただ、現場では車のナンバーを控えれば十分だ。あとは泳がせ、行き先をつきとめる。市役所に戻ると、井上課長らはパソコンを開く。GPSでは、新聞の束はなぜか相模川の河原付近に数時間とどまっていた。「ナンバーを控えられているのは相手もわかっているので、ほかの車に積み替えているのかもしれない」

 やがて新聞の束は北上を始める。午後1時半、現場から約15キロ離れた東京都八王子市内の山裾の住宅地で止まった。そこには古紙問屋の工場がある。

 古紙問屋の業界団体「関東製紙…

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