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 「このような行為は言語道断の許しがたい暴挙であり、強く非難する」

 「後藤健二氏に危害を加えないよう、直ちに解放するよう強く要求する」

 菅義偉官房長官は25日未明、首相官邸で開いた緊急記者会見で、硬い表情のまま用意したコメントを読み上げた。

 その後、安倍晋三首相も公邸から官邸に移った。記者団の問いかけに対し、菅氏が読み上げたコメントと同様に「言語道断、許しがたい暴挙です。直ちに解放するように強く要求します」と憤りをあらわにした。

 写真がインターネット上に投稿され、官房長官の臨時会見がセットされた25日午前0時前後から、官邸は慌ただしさを増した。菅氏は会見前に、内閣危機管理監と国家安全保障局長に対して「関係省庁と連携し、情報収集を始めとしてしっかり対応してほしい」と指示。25日午前1時15分から、関係閣僚会議が開催された。

 新たな画像が投稿されたことに対して、政権内には衝撃が広がった。岸田文雄外相は同日未明、外務省内で記者団に囲まれた。殺害されたのが湯川遥菜氏と確認されたかどうかを問われると、岸田氏は「いろいろな情報があることは承知している。確認してから発言する」と慎重な物言いに終始した。

 関係閣僚会議に向けて、未明からは閣僚が次々に官邸に集まった。記者団の問いかけに、中谷元防衛相は「私はまだ確認中」とだけ返答。表情は一様に厳しく、言葉を選びながら発する姿が目立った。

 身代金の要求期限だった23日午後を過ぎても「イスラム国」側からの発信が確認されなかったことから、政権内では一時、人質解放に向けた取り組みは長期化する可能性があるとする見方も出ていた。首相周辺からは「3日間というのは短すぎる。10日とか1カ月、あるいは3カ月、そのくらいかかるものだ」との声も上がっていた。

 「イスラム国」がネットを駆使していることから、政府は日本語や英語のほか、アラビア語での情報発信も始めていた。外務省は21日未明までに、同省のホームページにアラビア語のメッセージを掲載。拘束された2邦人に危害を加えないよう求めたほか、安倍首相が表明した2億ドルの支援は人道支援やインフラ整備などの非軍事分野であることを訴えていたが、24日深夜に事態が急転した。