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 政府は27日、認知症の人への支援を強化する初の「国家戦略」を正式に決めた。本人や家族の視点を重視した施策の推進が柱だ。10年後には高齢者の5人に1人が認知症という予測をふまえ、関係省庁が連携して対策に取り組む。

 安倍晋三首相はこの日午前に開かれた関係閣僚会合で、「最も速いスピードで高齢化が進む我が国こそ、社会全体で認知症に取り組んでいかなければならない」と話した。

 国家戦略の正式名称は「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」。「団塊の世代」がみな75歳以上になる2025年までを対象期間とする。この年には65歳以上の5人に1人、約700万人が認知症になるとの推計を提示。基本的理念として「認知症の人の意思が尊重され、住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現」を掲げた。

 そのうえで認知症の人が自分の言葉で語る姿を発信するなどの啓発推進や、65歳未満で発症する若年認知症への支援強化など、戦略の七つの柱を示した。

 具体的には、認知症の本人や家族が政策立案や評価に直接関わる仕組みをつくることや、大学などで学生がボランティアとして認知症の高齢者と関わる取り組みも盛り込んだ。介護ロボットの開発支援、出歩いて行方不明になる高齢者の安全対策なども進める。

 若年認知症の人や家族の相談窓口を都道府県に設置、交流の場づくりや社会参加を支援する。地域の暮らしを支える医療、介護を実現するため、地域の歯科医師や薬剤師などの研修なども実施していく。

 厚生労働省が認知症対策の5カ年計画「オレンジプラン」(13~17年度)で盛り込んでいた目標は、認知症サポーター養成などの目標数を引き上げた。医療・介護の専門職らが訪問支援する「認知症初期集中支援チーム」(14年度は41市町村で実施)は、18年度から全市町村で実施を目指す。(畑山敦子)