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 元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏の話 24時間の期限を設けたのは「イスラム国」のペースで事態を動かす狙いがあるのだろう。だが、彼らに交渉の意思はないと考えた方がいい。死刑囚の釈放もヨルダンに日本の現地対策本部があることを知って場当たり的に考えた可能性がある。

 「イスラム国」側は、後藤さんを殺すか否かどちらにメリットがあるかを考えているはずだ。安倍首相は後藤さんに向け「日本国民はあなたとともにある。必ず救い出す」とのメッセージを出すべきだ。重要な人だと伝えることで、「生かしておく価値がある」と思わせる必要がある。

 実際、後藤さんに語らせることで、10年前のテロ事件に関わった死刑囚が世界的に大きな話題になり、宣伝効果は大きかった。生きていてくれれば、「イスラム国」の分裂などの変化も望め、奪還も可能になる。

宣伝効果、高める狙い

 中東調査会の高岡豊・上席研究員の話 交渉期限を24時間に限った画像が流れたのは、「イスラム国」に注目を集め、宣伝効果を高めるのが最大の狙いだろう。日本のメディアが何度も報道することで、すでにその目的を果たせたとも言える。身代金も人質交換の要求も、そこまでこだわっていないのではないか。

 ただ、人質交換を強調したことで、「イスラム国」が仲間を大事にする組織だということは結果的に示した。他の戦闘員やイスラム過激派に対する求心力は高まっただろう。

 現時点で、日本政府ができることには限りがある。これまでの拘束のケースを見ても、事件が表沙汰になると、「イスラム国」は早期に結論を出すことが多い。今はヨルダン政府に対応を任せるしかないように見える。ただ、矢面に立たされているヨルダン政府の決定や対策については、日本側も責任を共有する必要がある。

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