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 「週刊ビッグコミックスピリッツ」の人気マンガ「美味しんぼ」で、東京電力福島第一原発を訪ねた主人公が鼻血を出した描写が風評被害を招くと批判を受けた問題で、原作者の雁屋哲さんが2日、「美味しんぼ『鼻血問題』に答える」(遊幻舎)を出版し、一連の批判に反論した。

 本の第1章では、自身や編集部に批判が殺到したことに触れ、原発事故は収束し、福島に住むことも食べ物も安全とする「この国の神聖なタブーを破った極悪人扱いを受けた」と述懐。

 放射線被曝(ひばく)との因果関係を「考えられない」と否定した環境省の見解に対して、福島県の地元住民の証言や研究者の調査などから「福島の環境であれば、鼻血を出す人はいる」。風評被害との指摘については、「私が伝えたのは真実です。『風評』ではありません」などと主張している。

 本の半分近くを割いて福島県の農業関係者や福島第一原発を訪ねた体験を紹介。その上で、内部被曝や低線量被曝が人体に与える影響について持論をつづった。

 昨年12月に発売された単行本第111巻で表現の一部を修正した理由は、証言者を守り、誤解を防ぐため、などとしている。(大西元博)