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 兵庫県尼崎市の連続変死事件をめぐる神戸地裁(増田耕児裁判長)での裁判員裁判で、検察側は6日、2人に対する殺人罪などに問われた角田美代子元被告(自殺時64)の息子、優太郎被告(28)に懲役25年を求刑した。検察側は「疑似家族の集団の力を背景に犯罪を繰り返し、落ち度のない被害者の尊厳を踏みにじった」と主張した。

 弁護側は最終弁論で、起訴された五つの事件のうち1件の死体遺棄罪を除いて美代子元被告との共謀などを改めて否認した。判決は3月18日で、選任手続きから132日間の日程は裁判員裁判では過去最長となる。

 検察側は論告で「(集団生活を送っていた)角田家の皆が美代子元被告に従い、誰も被害者を助けなかった」と指摘。「本来なら無期懲役か懲役30年が相当だが、犯行は美代子元被告の主導で、被告は元被告の子として育ち、十分な教育を受けられなかった面がある」と述べた。

 起訴状では、優太郎被告は美代子元被告らと共謀。2005年に沖縄で転落死した角田久芳さん(死亡時51)と、尼崎市のマンションベランダの物置に閉じ込められ08年に死亡した仲島茉莉子(まりこ)さん(同26)の2人に対する殺人▽元被告周辺で死亡した別の3人に対する加害目的略取や監禁――などの罪に問われている。(青田貴光)