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 山形市で2011年、アパートで一人暮らしをしていた山形大学2年の大久保祐映(ゆうは)さん(当時19)が死亡したのは、119番通報をしたのに救急車が出動しなかったためだとして、母親が市に約1億円の損害賠償を求めている訴訟の和解協議が6日、山形地裁であった。地裁が和解案を示し、原告側、市側の双方が基本的に受け入れる意向を示した。

 双方の代理人弁護士によると、和解案は①市が和解金を支払う②市がこの問題に関する「総括」を行い、公表する③今回の経緯などを消防本部の救急搬送体制に関する研修プログラムに組み入れる――の3点からなる。和解金の額について双方とも「公表できない」としている。

 和解協議を受けて山形市の市川昭男市長は「和解金に関する補正予算を含む議案を市議会に提案し、議決を得たうえで和解したい」と語った。市側は、総括の内容や研修プログラムなどについて原告側と調整を進め、早ければ3月17日と31日に予定される協議で和解したい考えだ。

 訴状などによると、大久保さんは11年10月、一人暮らしの自宅アパートから「体調が悪い」と119番通報し救急車を要請した。しかし、山形市消防本部は近くの病院にタクシーで行くよう促し、救急車を出動させなかった。大久保さんはその9日後、自室で遺体で発見された。(岩沢志気、多鹿ちなみ)