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 ニホンザルのあいさつにも集団ごとに伝達される「文化」があることを、京都大などのグループが見つけた。10日発表した。けんかの後などに抱き合って緊張をほぐすあいさつに着目すると、地域ごとにやり方が異なったり、抱き合う行為自体が見られなかったりした。

 ニホンザルの「文化」と呼ばれる行動は、幸島(こうじま、宮崎県)で見つかった「イモ洗い」が最も有名。1頭の子ザルが水でイモを洗って食べるようになると、群れの仲間が次々とまねを始めた。他にも地域独特の行動が確認されているが、あいさつについては、よく知られていなかった。

 京大の中川尚史准教授(霊長類学)らは、金華山島(宮城県)のサルはいつも正面から抱き合い、体を前後に揺らすことを発見。しかし、屋久島(鹿児島県)のサルは、正面だけでなく相手の体の横や背中からも抱きつくことがわかり、揺らす行為も見られなかった。抱き合うあいさつは下北半島(青森県)などでも確認されたが、嵐山(京都市)や勝山(岡山県)、高崎山(大分県)などでは観察されていないという。

 抱き合うあいさつはそれぞれの集団でたまたま始まり、伝達されていったとみられる。中川さんは「人間でもお辞儀や握手、抱擁(ハグ)のようにあいさつに文化がある。サルも同様ではないか」と話す。成果は米学術誌電子版に掲載された。(阿部彰芳)