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 過激派組織「イスラム国」の事件に巻き込まれたフリージャーナリスト後藤健二さん(47)の美術作品が、イラクやシリアの子どもたちを支援するNPOの企画でギャラリー日比谷(千代田区有楽町1丁目)で展示されている。後藤さんが伝えたかったことを引き継ごう。そんな思いを込めて。

 西アフリカ・リベリアで後藤さんが撮った埋葬される子どもの写真。その周りに宇宙が広がり、本をかたどった額縁に、本物の色鉛筆がちりばめられている。

 題名は「broken boy」。後藤さんが2010年、グラフィックデザイナーの高津央さんと共同で作り、発表した作品の一つだ。主催のNPO法人ジムネット(日本イラク医療支援ネットワーク)が、高津さんから借りた。

 ジムネットの佐藤真紀事務局長(53)は、03年のイラク戦争時に後藤さんと知り合った。その後、たびたび情報交換をしてきた。

 ジムネットが毎年2月頃にギャラリー日比谷で開く展示会に、佐藤さんは「いつか作品を展示してほしい」と頼んでいた。だが、後藤さんが殺害されたとみられる映像が流された。佐藤さんは「憤りと絶望感で、頭の中が真っ白になった」。

 後藤さんが伝えようとしていたことを探すうち、高津さんとの作品展に行き着いた。一目でこの作品を選んだ。

 その下に置いたのは、イラクの少女(12)が03年に白血病で亡くなる直前に描いた絵。その場に鉛筆しかなく、佐藤さんは「次来る時には色鉛筆を持ってくるね」と少女と約束したが、色鉛筆を手渡す前に亡くなった少女だった。佐藤さんは「亡くなる直前だったのに、この少女は『先生になりたい』と夢を語っていた。色鉛筆を通じて、子どもたちが描こうとしていた世界に想像が膨らんでいく」と話す。

 後藤さんは、「broken boy」を発表した10年の展示会のカタログに言葉を書き残していた。

 「無念」と「孤独」に覆い尽く…

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