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 航空自衛隊入間(いるま)基地に近い小中学校にエアコンを設置するかどうかを問う埼玉県所沢市の住民投票は、「賛成」が5万6921票で、「反対」(3万47票)を上回り、投票総数の64・86%を占めた。藤本正人市長は16日の記者会見で、「結果は重く受け止めるが、財政配分も考慮しながら、任期中に慎重に判断したい」と述べ、判断を先送りした。

 条例は賛否いずれかが有権者数の3分の1以上に達したら結果を重く受け止めるよう市長に求めたが、住民投票の投票率は31・54%と低迷した。藤本市長は「これまでの他の住民投票と比べて投票率が低かった。(防音校舎に限ってのエアコン設置の是非という)テーマが難しかったのでは。学校現場に行くなどさまざまな人の声を聞いて判断する」と話した。設置を中止した自身の政治判断について「今でも正しいと思っている」と強調した。

 住民投票条例をつくる運動を進めた賛成派の住民らも記者会見。大原隆広さん(44)は「賛成票が、4年前に藤本市長が初当選したときの得票(3万8655票)を大きく上回った。価値ある数字だ。誠意ある対応をとってほしい」と述べ、エアコン設置を多数の民意として尊重するよう求めた。一方で、市長の判断先送り発言に「これ以上なにをすればいいのか」と肩を落とす人もいた。

 市長の任期満了は10月29日で、今秋に市長選が予定されている。(戸谷明裕)