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 歌手・森高千里さんのヒット曲「渡良瀬橋」で歌われた八雲(やぐも)神社(栃木県足利市緑町1丁目)。2012年12月の火災で本殿などが全焼してしまったが、伊勢神宮の式年遷宮に伴って解体された社(やしろ)を使って再建されることになった。解体された社のヒノキ材は25日、大型トラックで運び込まれる。

 火災後すぐに、市内経済界の新旧トップらが復興再建委員会を立ち上げた。話し合いを進めていた最中に、20年に1度の式年遷宮が重なった。「解体される社の一部を拝領したい」。桜木宏紀宮司(74)が昨春、県神社庁を通じ、神社本庁に申請したという。

 八雲神社はかつて、伊勢神宮に大鏡を奉納した縁もあり、譲り受けることが決まったという。桜木さんによると、通常は部材の一部にとどまり、社すべてを譲り受けるのは異例という。

 伊勢神宮125社のひとつで「月讀尊(つきよみのみこと)」をまつる「月讀荒御魂宮(つきよみのあらみたまのみや)」の解体された本殿と幣殿を、八雲神社としてそのまま移築する。拝殿は新たに造るという。

 ただ、再建には億単位の資金が必要とされ、到着した材木はしばらく別の場所で保管する。数年後に再建作業を始めたい考えだ。

 八雲神社の焼失に、森高さんとそのファンらはショックを受け、再建を願ってきた。森高さんは、コンサート会場などで集まった200万円余りを寄付。地元を中心に全国からの寄付もあり、再建資金として3200万円余りが蓄えられているという。

 桜木さんは「再建のスタートに立てたことに感謝している。足利の宝にしたい」と話している。(佐藤孝則)