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 ベランダにつるすなどする空間用虫よけ剤の表示の根拠が不十分だとして消費者庁は20日、販売する大手4社に景品表示法違反(優良誤認)で措置命令を出した。4社は表示を変えたり、再発防止策を講じたりしなければならない。

 同庁によると、対象は2011年以降に販売された興和「ウナコーワ虫よけ当番」、大日本除虫菊「虫コナーズ」、フマキラー「虫よけバリア」、アース製薬「バポナ虫よけネットW」で計30品目。製品には「簡単虫よけ」「シャットアウト」などと表示されている。

 同庁は、各社の製品に含まれる殺虫成分ピレスロイド系薬剤に「ユスリカ」や「チョウバエ」を遠ざける効果があると認めた。だが各社の試験データは虫の数が少なかったり、屋外での使用を想定しながら風が弱い場所での結果だったりしたため、表示の根拠が不十分と判断した。

 また、製品の効果が及ぶ範囲や期間についても、各社から合理的な根拠が示されなかったという。

 試験方法について大日本除虫菊は「屋外のテントの出入り口に製品をつるして中に入るユスリカなどを数えた」、興和は「夕方の屋外に製品をつるし付近に集まるユスリカなどを数えた」、などとそれぞれ取材に答えた。

 今回の措置命令を受け、4社は表示を是正して販売を続けるという。フマキラーは「不服申し立てを行うか否かを含め今後の対応を決定する」、他の3社は「真摯(しんし)に受け止める」などとコメントした。

 これらの製品が虫よけ効果をうたう「ユスリカ」は人を刺して血を吸うことはないが、複数の社は取材に対し、消費者の一部に吸血する「アカイエカ」などの蚊との混同があることを認識していると答えた。ただ今回の処分理由には含まれていない。

 調査会社富士経済によると、空間用虫よけ剤の市場規模は00年代半ばから拡大し14年見込みで158億円と08年の2倍強になった。(小寺陽一郎)