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 オウム真理教元信徒・高橋克也被告(56)の公判が20日、東京地裁であり、1995年の地下鉄サリン事件で「総合調整役」だった元幹部の井上嘉浩死刑囚(45)が出廷した。同事件は、教団元代表の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(59)の指示だとし、「『宗教戦争が起こる』とする麻原の予言を成就させるために、事件を起こしたと思った」と証言した。

 井上死刑囚によると、松本死刑囚は教団が出版した本で、この年の11月に宗教戦争が起きると信徒らに説いていた。事件の2日前、移動中の車の中で、松本死刑囚や元幹部らが計画を話し合った際、松本死刑囚は「(サリンをまけば)パニックになるかもしれないな」と話したという。事件の目的について検察側は、教団への強制捜査を阻止するためだったとしているが、井上死刑囚は、松本死刑囚の「予言」を現実のものにするためだった、との見方を示した。

 一方、井上死刑囚は事件の前日、高橋被告に対して「サリンをまくから運転手をするようにと伝えた」と証言。「サリンをまくとは知らなかった」とする高橋被告の主張と、真っ向から対立した。井上死刑囚によると、事件後、アジトに戻ってきた高橋被告は押し黙った様子だったという。井上死刑囚はテレビのニュースで多くの被害が出たことを知り、「グル(松本死刑囚)の意思を達成したと思った」と振り返った。(石川瀬里)