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 代助の父には一人の兄があった。直記(なおき)といって、父とはたった一つ違いの年上だが、父よりは小柄なうえに、顔付眼鼻立(かおつきめはなだち)が非常に似ていたものだから、知らない人には往々双子(ふたご)と間違えられた。その折は父も得(とく)とはいわなかった。誠之進(せいのしん)という幼名(ようめい)で通っていた。

 直記と誠之進とは外貌(がいぼう)のよく似ていた如く、気質(きだて)も本当の兄弟であった。両方に差支(さしつかえ)のあるときは特別、都合さえ付けば、同じ所に食っ付き合って、同じ事をして暮していた。稽古(けいこ)も同時同刻に往(ゆ)き返りをする。読書にも一つ燈火(ともしび)を分った位親しかった。

 丁度(ちょうど)直記の十八の…

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