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山川静夫(随筆家・元NHKアナウンサー)

 「三津五郎さん、あなたまで逝ってしまうのですか。待って下さい!」

 訃報(ふほう)に接した時、心の底からそう思った。つらい知らせだった。ライバルであり盟友だった十八代目中村勘三郎の追悼番組で、私と共に悲しみを吐露したばかりなのに、その坂東三津五郎が亡くなってしまうとは、あまりにもむごい。

 大和屋の芸をこよなく愛する者にとって、三津五郎を失ったことは、まことに大きな損失である。三津五郎が歌舞伎舞踊の第一人者であることは今更言うまでもないが、これからますます自身の芸の円熟を目指すと同時に、若い役者たちの指導的立場という役目も大きかったはずだ。それが叶(かな)わなくなったことが口惜しい。

 三津五郎の芸は「いぶし銀」の味わいがあった。決して前ウケをねらわず、基本に忠実で格調ある芸風だった。それが上品な光を放って美しかった。

 そんな三津五郎にもいくつかの…

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