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 日本最南端の沖ノ鳥島(東京都小笠原村)で昨年3月、設置工事中の桟橋が転覆して作業員7人が死亡した事故で、国の運輸安全委員会は24日、桟橋は極めて不安定で、浮かべて船で引けば転覆は避けられない状態だったと発表した。船の作業ミスでなく、船舶事故に当たらないとして、調査を19日付で打ち切った。

 工事は国土交通省が発注し、五洋建設などの共同企業体が施工していた。国交省によると、桟橋は重さ739トンの鋼鉄製の箱(縦30メートル、横20メートル、高さ5メートル)に、172トンの脚(長さ48メートル)が4本突き出た構造。台船に載せて現地に運んだ後、海に浮かべて引き船で動かす際に転覆した。

 事故後、本土に移送された桟橋を運輸安全委が調べた結果、引き船が時速約1・9キロでできる限りゆっくり引いても、水の流れによる力や波で揺れ、海水が桟橋上に流れ込む10・4度の傾きに達することが判明。桟橋上が冠水すれば、さらに傾いて転覆するという。

 運輸安全委は、桟橋の不安定化は施工時の補強のためだとする国交省の報告書(昨年7月公表)を追認。設計当初の安定性は十分だったと認めた。海上保安庁は業務上過失致死傷容疑で捜査中。国交省は今春、工事を再開する予定だ。

 五洋建設は取材に対し、「運輸安全委の発表は把握しておらず、コメントできない」としている。(工藤隆治)