[PR]

 英上院は24日、3人の遺伝情報を受け継ぐ受精卵をつくる新たな体外受精技術の実用化を承認した。この技術を認めるのは英国が世界初とされる。下院も今月上旬に実用化を承認しており、早ければ来年にも「3人のDNA」を持つ赤ちゃんが誕生する。

 新技術は、細胞質に含まれるミトコンドリアという器官のDNAに異常のある女性が対象。①女性の卵子とパートナーの男性の精子からつくった受精卵から核を取り出し、健康な女性の卵子でつくり核を除いた受精卵に移す、②ミトコンドリアDNAに異常のある女性の卵子の核を、健康な女性の核を除いた卵子に移し、パートナーの男性の精子と体外受精させる、という2通りがある。

 この技術により生まれる子供は父親と母親のほか、卵子を提供した女性のミトコンドリアに含まれるDNAも受け継ぐ。その割合はDNA全体の0・1%未満。髪や目の色には影響しないという。

 ミトコンドリアのDNA異常が遺伝することで子供が心臓や筋肉の重い病気を発症するのを防げるとされる。一方で、将来の子孫に及ぶ安全面の不安や、「デザイナーベビー」につながるとの倫理上の懸念から反対意見や慎重論が根強かった。上院は24日、両院の合同委員会を設けてより慎重に検討するべきだとの動議を反対多数で退けた。(ロンドン=渡辺志帆)