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 京王電鉄バス(本社・東京都府中市)の運転手の男性(当時51)が自殺したのは、検査で「飲酒」との結果が出た後、会社から退職を強要されたのが原因だとして、妻(51)が国を相手に労働災害と認めるよう求めた訴訟の判決が25日、東京地裁であった。佐々木宗啓裁判長は、検知器が誤作動していたのにその事実を「男性に知らせなかった」と認定。「退職せざるを得ないと誤解させ、強い心理的な負荷を与えた」として、自殺を労災と認めた。

 そのうえで、労災と認めなかった八王子労働基準監督署の処分を取り消した。

 判決によると、男性は2008年6~7月の間に2回、アルコール検査で「飲酒」と検知された。4年前にも検知歴があったため、周囲に「クビになる」と漏らし、2回目の検知の3日後に飛び降り自殺した。

 訴訟で会社側は、2回目の検知については誤作動だったと認め、「男性に説明した」と証言した。しかし、判決は男性の遺書の内容などから「説明しなかったと推認できる」とした。そのうえで、「退職せざるを得ないとの男性の誤解を強めさせたことは明らか。その意図があったのではないかとさえ疑われる」とし、自殺は「業務が原因」と結論づけた。

 判決後に会見した男性の妻の代理人弁護士は、「会社の対応を痛烈に批判した判決だ」と評価。京王電鉄バスは「係争の当事者ではなく、判決の詳細を把握していないので、コメントは差し控える」としている。(千葉雄高)