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 米国と英国の情報機関が携帯電話の通信を盗聴するため、SIMカードを製造している世界最大手企業にハッカー攻撃を仕掛け、通話の暗号を解く鍵を盗み出していた疑惑が浮上している。年20億枚を製造するオランダ企業が25日、攻撃の可能性を認めた。日本の大手もこの企業のSIMカードを一部使っており、情報収集に追われている。

SIM最大手メーカー「侵入、高い確率で行われた」

 「米英の情報当局による(我が社へのハッカー攻撃)作戦は、非常に高い確率で行われていたと思う」

 米ウォールストリート・ジャーナル紙によると、世界最大のSIMカードメーカー、オランダのジェムアルトのオリビエ・ピウ最高経営責任者(CEO)は25日、パリでの記者会見でそう話したという。

 同社が盗まれたとみているのは、SIMカードの「暗号鍵」と呼ばれる情報だ。

 利用者が携帯電話端末に向かって話す音声は、暗号化された情報としてやりとりされている。電話をかける場合、利用者の端末はSIMカードに埋め込まれた暗号鍵を使いながら、通信会社とやりとりして、通話に暗号をかける。暗号鍵は秘密の情報だが、第三者が不正に取得すれば、暗号化された通話を復元できるという。米英の情報機関は大量の暗号鍵を手に入れたあとで、盗聴したい相手の電話番号やSIMカードを特定し、手持ちの暗号鍵が使えないか調べていた可能性がある。

 ジェムアルトは年約20億枚のSIMカードをつくり、それぞれのカードごとに暗号鍵も設定し、世界に出荷している。

 25日の会見では、どの程度の数の暗号鍵が盗まれたのか――が焦点だった。ピウCEOは「12件かもしれないし、100件かもしれない。ただ、とても少ない数だろう」と強調する一方で、「どのぐらいの数の暗号鍵が盗まれたのか、それを言うのは難しい」と語り、全容を把握できていないことをうかがわせた。

疑惑発端、スノーデン氏の暴露

 暗号鍵の「盗難」疑惑が浮上したのは、エドワード・スノーデン・米中央情報局(CIA)元職員による暴露があったためだ。ニュースサイト、インターセプトが今月20日、情報の一部として報道。同サイトは、スノーデン氏と接触して、米情報当局による盗聴活動を最初に報じた元英ガーディアン紙のグレン・グリーンウォルド氏が運営するだけに、世界中に波紋が広がった。

 ジェムアルトは暗号鍵の情報を埋め込んだSIMカードと共に、「合鍵」にあたる暗号鍵のコピーを通信会社などに納入している。

 スノーデン元職員の暴露によると、米国家安全保障局(NSA)や、英政府通信本部(GCHQ)は、ジェムアルトの社内ネットワークに侵入。不正ソフトウェアを従業員のコンピューターに埋め込み、SIMカードの暗号鍵を盗んでいたという。

 また、他のSIMカードメーカ…

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