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 NHKの経営委員会で委員長代行を務めてきた上村(うえむら)達男・早稲田大教授(会社法・資本市場法)が3年の任期を終え、2月末で退任した。経営委は会長を任免し、監督する立場にある。籾井勝人会長の言動や資質を在職中から批判してきた上村氏に、問題点と課題を聞いた。

 ――籾井会長の発言が繰り返し問題視されています。

 放送法はNHKの独立や政治的中立を定めています。しかし、就任会見時の「政府が右と言うことに対して左とは言えない」とか、従軍慰安婦問題について「正式に政府のスタンスがまだ見えない」といった最近の籾井会長の発言は、政府の姿勢におもねるもので、放送法に反します。放送法に反する見解を持った人物が会長を務めているということです。

 会長は「それは個人的見解だ」と言って、まだ訂正もしていませんが、放送法に反する意見が個人的見解というのは、会長の資格要件に反していると思います。

 お笑い番組でも「品のないものはやめた方がいい」という趣旨の発言をしています。私も番組に一定の品性は必要だと思いますが、会長がそれを言うことには違和感があります。NHKにはそうしたことも含めて判断するシステムがありますので。

 ――籾井会長を満場一致で選んだのは、上村代行を含む12人の経営委員です。

 確かに経営委に責任があります。ただ、籾井氏の経歴を見ると、一流商社である三井物産で副社長まで務め、海外経験も豊富な人物。数人の候補者がおり、籾井氏には異論が出なかった。20~30分の面接では、信条の問題まではわからない。「放送法を守ります」と繰り返していましたし。時間をかけて以前より数段良い(会長の)選任規定を作ったと思っていますが、経営委員が誰を推薦するかは手続きでは縛れない。最終候補者を2人にして面談することも考えられるが、大企業のトップ級と比べて低い報酬(年間約3千万円)では、「面談を受けてまで引き受けたくない」ということにならないか。

 ――市民団体などには「経営委は籾井会長を罷免(ひめん)すべきだ」という声もあります。

 経営委の過半数が賛成すれば会長を罷免できます。少なくとも籾井会長を立派な会長だと思っている委員はほぼいないのではないか。ただ、就任会見直後ならともかく、今は罷免までしなくても事態を切り抜けられると考えている委員の方が多いとみています。

 私はずっと罷免すべきだと思っていた。ただ、罷免の動議をかけて、否決されると、籾井会長は「信任された」と思うでしょう。それでは逆効果になると考えました。

 ――経営委員が政権の意向を忖…

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