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 「それから」は1909(明治42)年6月から10月まで、朝日新聞に連載された長編小説。主人公の長井代助は、職に就かず、実家に金を無心しては裕福な生活を送る独身青年。旧友の平岡常次郎が銀行を辞めて東京に戻ってくる。平岡の妻三千代は、かつて代助が愛しながらも平岡に譲った女性。久しぶりの再会に、代助は三千代への思いを再び募らせていく……。

 「それから」は前後に執筆された「三四郎」「門」と合わせ、漱石の「前期三部作」といわれる。物語に直接のつながりはないが、いずれも、恋愛をめぐる人間の心理や葛藤が緻密(ちみつ)に描かれる。漱石は「それから」の予告に、「三四郎」の「それから先」を描いた小説で、代助は小川三四郎の「それから後の男」だと記した。続く「門」は、親友を裏切ってその妻と結婚した男が主人公。罪悪感にさいなまれ、救いを求めて禅寺の門をたたく。

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