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 安倍内閣は6日、防衛省内で「背広組」(文官)が「制服組」(自衛官)より優位だとする「文官統制」を見直す防衛省設置法改正案を閣議決定した。今国会での成立を目指し、10月にも実施する。成立すれば制服組の影響力が強まり、シビリアンコントロール(文民統制)を確保するため防衛相の責任が一層問われる。

 文民である防衛相が自衛隊を統制するのが「文民統制」。その防衛相を政策の専門家である「文官」の背広組が支えるのが「文官統制」だ。現行の防衛省設置法では、防衛相が制服組のトップである統合幕僚長や陸海空の幕僚長に指示を出したり、監督したりする際には、背広組幹部である官房長や局長が「補佐する」との規定がある。これが根拠になり、防衛相が自衛隊部隊へ命令を出す際や、部隊が防衛相に報告する際は、背広組を通す仕組みになっていた。

 改正案では、この規定を撤廃し、防衛相を補佐する上で、官房長・局長と幕僚長は対等となる。同時に背広組の局長をトップとする「運用企画局」を廃止し、自衛隊の運用を制服組が統括する「統合幕僚監部」に一元化する。

 中谷元・防衛相は6日、「政策的見地と軍事的見地の大臣補佐が相互に作用して、シビリアンコントロールはより強化される」と説明した。しかし、「文官統制」は、戦前、戦中の軍部暴走の反省から、シビリアンコントロールを支える仕組みと見なされてきた。見直しには野党から批判が出ている。

 改正案には、「防衛装備庁」の新設も盛り込まれた。戦闘機や護衛艦などの防衛装備品の研究開発から購入までを一元化し、海外との交渉窓口にもなる。2006年の談合事件で廃止となった防衛施設庁以来、8年ぶりの防衛省の外局となる。法律が成立すれば、10月に発足する見通しだ。

 安倍政権は昨年、「防衛装備移転三原則」を閣議決定し、武器の輸出や国際共同開発を認めた。装備庁の設置は、この決定を受けたものだ。背広組と制服組の約1800人が所属し、取り扱う予算額も2兆円規模になるという。談合や贈収賄など腐敗の温床とならないための仕組み作りが課題となる。(三輪さち子)

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