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 手を広げ、目を見開く。185センチの体、五つの声色。読み上げるだけでなく、全身を使って表現する栃本(とちもと)翔太さん(19)の紙芝居が始まった。

 《帰るところを持たない流浪の民としての生活がスタートしたのです》

 描くのは、東京電力福島第一原発事故時に経験した体育館での避難生活だ。

 舞台で演じているかのようなやり方は、父の正(ただし)さんを隣で見続けて、学んだ。

 第一原発がある福島県大熊町で生まれた。3歳で自閉症だと分かった日から、家族の願いは「普通のことを普通にできるようになる」こと。震災の日は、高校入試の結果を心待ちにしていた時期だった。

 原発事故が、全てを変えた。

 緑豊かで温暖な大熊では、翔太さんが驚いたりはしゃいだりして大声をあげても、近所の人たちは「元気だね」と見守ってくれていた。その人たちが避難所では、母の春美さん(59)に「その子を近づけないで」と言った。畳1畳ほどの隅のスペースに隠れるように、親子3人で座った。

 《弱者が弱者をいじめる 避難所という非現実社会の一面なのです》

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