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 東海道・山陽新幹線のネット予約システムの保守業務を受注した三菱電機(本社・東京都)の複数の社員(当時)が、業務の一部を関係先に架空発注する方法で、資金を着服していたことが朝日新聞社の取材でわかった。架空発注の総額は約4億6千万円に上り、三菱電機は刑事告訴を検討している。

 同社の説明では、東京国税局の税務調査で社員らの不正が判明した。同社は追徴課税を受けたが、会社ぐるみの行為ではなかったとして、重加算税は課されなかったという。

 複数の関係者によると、予約システムはJR東海(同・名古屋市)などが運営する「エクスプレス予約」。会員制のサービスで、パソコンや携帯電話を使って新幹線の指定席を予約できる。

 問題の社員らは営業部門などに所属。JRの子会社から請け負った保守業務の一部をシステム開発会社(同・横浜市)や登記のない会社に外注したように偽装。支払った代金を自分たちに還流させていた。

 架空発注は長期間に及んだといい、2013年に国税局が指摘。これを受けて三菱電機が発注文書などの内部調査を始めたところ、約4億6千万円の架空発注がわかった。内部調査は継続中で、社員らの一部は関与を否定しているという。

 架空発注先になったシステム開発会社の社長は取材に対して、「(三菱電機側から代金が振り込まれた)口座は勝手に使われただけだ。詳しいコメントは差し控えたい」と答えた。

 また、JR東海広報部は「三菱電機からは架空発注分の代金について、『JR東海側に返還される性質のものではない』との説明を受けており、納得している」とコメントした。

 これに対して、三菱電機広報部は「書類上は整っていたため、不正に気づけなかった。管理責任は重大で、今後このようなことが起きないよう、管理強化に努める」と説明している。(中野浩至、高田正幸)

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 〈エクスプレス予約〉 JR東海(本社・名古屋市)が2001年9月に導入した会員制サービスで、東海道・山陽新幹線の指定席が携帯電話やパソコンから割引価格で予約できる。シートマップで好きな座席を選んだり、手数料なしで何度でも予約列車を変更したりすることができる。現在はJR東海とJR西日本が共同で運営している。15年2月現在の会員数は約263万人。