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 国土交通省は13日、東洋ゴム工業(大阪市西区)が製造・販売した免震装置のゴム製部品について、不良品の出荷やデータの偽装があったと発表した。このうちデータ偽装があった3製品については、同日付で大臣認定を取り消した。これら性能不足の製品を使ったマンションや役所の庁舎、病院などの建物が全国に55棟あり、改修などで住民らが一時退去を強いられる可能性がある。

 問題の製品は建物の基礎などで使われ、伸縮で地震の揺れを吸収し、建物に伝わりにくくする建築用の免震ゴム。建築基準法上、設置に大臣認定が必要だ。東洋ゴム工業はタイヤメーカーとして知られ、免震ゴムの市場占有率(シェア)は3~4%程度という。

 国交省によると、同社は大臣認定を得た際、地震の揺れを抑える性能について、各製品ごとのばらつきは基準値の誤差10%内としていた。だが実際には最大でマイナス50%の製品があり、同社のモデル計算ではゴムが1・3倍大きく変形し、揺れを抑えられない。

 国交省は同社に、所有者へ説明し、設計者らと協力して建物の安全性を調べたうえで改修・報告するよう指示。その他の製品でも不正の有無の確認を求めた。

 同社は2003年に最初の認定を受け、この際は適正なデータだったが、不良品を出荷。06年と07年、11年には類似製品3件で認定を受ける際、測定データを加工するなどしたとされる。同社は会見で、担当者によるデータ改ざんの可能性を示唆した。会社側によると、問題の免震ゴムは子会社の東洋ゴム化工品(東京都新宿区)が製造。製品の評価は兵庫県の工場の課長代理(当時)が10年以上にわたり1人で担当していた。

 55棟の所在地は宮城、東京、愛知、大阪、福岡など全国18都府県にわたり、使われた問題の製品は計2052基。建物はマンションなどの共同住宅25棟、役所の庁舎12棟、病院6棟、倉庫4棟など。15階建て以上が約10棟で、最大は30階建て。東日本大震災で震度6強~6弱だった仙台市宮城野、青葉両区の計3棟は、震災後に現地調査した管理会社などから「建物の構造に損傷はない」と報告を受けたという。国交省は個別の建物については詳細を明らかにしていない。(小林誠一、山村哲史)